【畳職人の裏話シリーズ】国産い草が消える?畳職人が見た産地のリアル
2026年3月6日
国産い草はこの先どうなるのか
― 畳職人が産地の現状をお話しします ―
畳の表面に使われる「い草」。
その日本一の産地が熊本県八代地域です。
当店でも主に熊本県産の国産い草を使用していますが、
最近お客様からこんな質問をいただくことがあります。
「国産の畳って、これからも作れるんですか?」
正直に言うと、
決して楽観できる状況ではありません。
今回は、畳店の立場から
産地の現状について少しお話ししたいと思います。
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畳の材料は、ほとんどが外国産
まず意外と知られていないことですが、
現在日本で使われている畳表は
- 国産 約20%
- 中国産 約50%
- 和紙・樹脂などの化学表 約30%
と言われています。
つまり、
国産い草の畳はすでに少数派です。
昔はほとんどが国産でしたが、
ここ20〜30年で状況は大きく変わりました。
熊本い草産地の今
国産い草の約9割は
熊本県八代地域で作られています。
しかし、その産地でも
農家の数は年々減っています。
例えば現在のい草農家は
296戸(R5) → 182戸(R8)
と減少しています。
さらに長い目で見ると、
その減少はかなり大きなものです。
実は平成元年には
い草農家は約5460戸ありました。
そこから現在は
200戸台を切るところまで減少しています。
つまり、この30〜40年ほどで
い草農家は95%以上減ったことになります。
また作付面積も
351ha(R5) → 242ha(R7)
と少しずつ減少しています。
さらに最近は
生産者の高齢化が大きな問題になっています。
い草農家の経営主の多くが
60歳以上と言われており、
後継者がいる農家は
わずか約26%
というデータもあります。
つまり、
約7割の農家が後継者不在です。
産地に行くと感じること
私たち畳店も、
い草の産地を訪れることがあります。
そこでいつも感じるのは、
農家の皆さんの仕事の大変さです。
い草作りは想像以上に手間がかかります。
苗を植え、
水を管理し、
草丈を育て、
収穫し、
乾燥させ、
選別し、
織り機で畳表に仕上げる。
しかも一年に一度の収穫です。
天候によって品質が左右されることも多く、
決して簡単な仕事ではありません。
近年は生産コストも上がっている
さらにここ数年は
- 肥料
- 農業資材
- 燃料
- 経糸
などが値上がりし、
生産コストも増えています。
産地の資料では
反当たり約10万円ほどコスト増
と言われています。
畳表1枚に換算すると
約300円のコスト増になります。
畳表は「作り手」で品質が変わる
畳表は工業製品ではなく
農作物です。
そのため
生産者によって品質が変わります。
い草の長さ
密度
色
織りの丁寧さ
などが違ってきます。
最近では
生産者名を指定して注文する
畳店も増えています。
それだけ
作り手の技術が重要になっているということです。
い草にも品種があります
い草にもいくつか品種があります。
最近は
- 涼風(すずかぜ)
- ひのみどり
といった品種が主流です。
気候や生産効率の影響で
栽培される品種の割合も少しずつ変わっています。
国産い草がなくなる可能性も?
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、
このまま農家が減り続ければ
国産い草の生産量はさらに減る
と言われています。
実際、熊本産畳表の供給量も
2021年 約200万枚
2023年 約150万枚
と減少しています。
それでも国産い草を使う理由
ではなぜ、
私たち畳店は国産い草にこだわるのか。
理由はシンプルです。
品質が違うからです。
国産い草は
- 草が長い
- 密度が高い
- 表面に艶がある
- 色変わりがきれい
という特徴があります。
時間が経つと
きれいな飴色に変わっていきます。
これは
国産い草ならではの魅力です。
畳は日本の文化でもあります
畳は1000年以上続く日本の床材です。
フローリングが主流になった今でも
「理想の家には和室が欲しい」と答える人は
7割ほどいるという調査もあります。
畳が好きな人は
まだまだ多いのです。
畳店として思うこと
産地がなくなれば
国産い草の畳も作れなくなります。
だからこそ私たち畳店も
産地とつながりながら
良い畳を届けること
を続けていきたいと思っています。
畳替えを検討されるとき、
もしよければ
「国産い草」
という選択肢も思い出していただけると嬉しいです。
もし畳の張替えをご検討中でしたら、
実際の畳表を見ながら違いをご説明することも可能です。
お気軽にご相談ください。

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一般住宅はもちろん、飲食店・旅館・寺院・オフィスなどの商業施設にも数多く対応しており、豊富な実績がございます。
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